2026年春、国民的グループ「嵐」がその幕を下ろす。ラストツアー『We are ARASHI』は、単なる解散公演ではなく、ファンと嵐の“別れの儀式”とも言える節目の舞台。その一方で、社会的な現象としての広がりも無視できない。大学受験と日程が重なり、ホテルが確保できない受験生。推し活神社への祈願が相次ぐ名古屋。そして、ファンと同じ熱量で準備を進めるメンバーたち。このツアーに何が起きているのか。いま、私たちはエンタメの域を超えた“時代の交差点”を目撃している。
嵐ラストライブが“社会現象”になった理由とは?
いつも応援していただきありがとうございます。
長らくお待たせいたしましたが、嵐のコンサートツアーの詳細を発表できることになりました✨
ツアータイトルは、
ARASHI LIVE TOUR 2026 「We are ARASHI」となります。… pic.twitter.com/R1ooxGNgrh— ARASHI (@arashi5official) November 22, 2025
嵐の「卒業公演」が動かしたファンと社会
2020年末の活動休止から約5年。2025年5月、嵐はファンクラブ向け動画で再び5人揃った姿を見せ、「2026年春でグループ活動を終える」ことを正式に発表しました。
ラストツアー『We are ARASHI』は、3月から5月にかけて5大ドームで15公演を実施。ファンにとっては“最後に会える機会”であり、申し込み対象が「活動休止中もファンクラブを継続していた会員」のみに限定されたことで、抽選の倍率は非常に高いものとなりました。
1月13日の当落発表日には、SNS上で「嵐の当落」が急上昇ワードに。
「当たった!」「落ちたけど、最後まで見届けたい」など、喜びと悲しみが入り混じった投稿が相次ぎ、SNSが“感情の共有空間”となりました。
こうした現象は、単にライブの当落にとどまりません。嵐という存在が、ひとつの世代の記憶や人生そのものと重なっていることが、改めて浮き彫りになった瞬間だったのです。
札幌では“受験生の宿”が確保困難に
札幌公演(3月13日〜15日)は、たまたま北海道大学と北海道教育大学の後期試験(3月12日)と重なるスケジュールとなっており、事態は思わぬ方向へ広がりました。
嵐ファンの宿泊需要が高まる中、札幌市内のビジネスホテルは早期に満室となり、通常13,000〜15,000円の相場が2〜3倍に跳ね上がる事例も。結果、地元で試験を受ける受験生の宿泊先が確保できないという、教育現場にとって看過できない問題が浮上しました。
この異常事態に対応したのが、札幌の不動産会社「恒志堂」です。同社は、民泊運用を予定していた新築物件13室を「受験生専用宿泊部屋」として確保し、5,900円(税込)という“合格応援価格”で提供。
ただのビジネス対応ではなく、「安心して試験前日を過ごしてほしい」という配慮に基づいた決断でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ライブ初日 | 2026年3月13日(札幌ドーム) |
| 試験日 | 2026年3月12日(北大・教育大) |
| 通常宿泊費 | 約13,000〜15,000円程度 |
| 高騰後の価格 | 20,000〜30,000円台まで上昇 |
| 特別宿泊プラン | 1泊5,900円(税込)、受験生限定 |
| 提供会社 | 有限会社 恒志堂(札幌の不動産・民泊事業者) |
ファンイベントが他者の生活に与える影響が顕在化したこのケースは、今後の大規模ライブにおける「地域との共存」の課題を投げかけています。
名古屋の“推し活神社”にファン殺到
名古屋・大須の「三輪神社」は、近年“推し活神社”として注目されるスポット。かつては縁結びで知られた神社でしたが、SNSを通じて「良席祈願」や「当選祈願」に訪れる人が増え、特に嵐ファンの参拝が顕著になっています。
ラストライブの当落発表日である1月13日には、全国からファンが集まり、絵馬には「5人に会いたい」「ラストは良席で」といった切実な願いがずらりと並びました。神社側も、通常は休業としていた日程を急きょ開放し対応。御朱印に「嵐」「当選」「良席」など2文字を入れるカスタマイズも人気を集めました。
参拝者の中には、「以前ここで祈願したら良席が当たった」と語る人も。そうした成功体験が“信仰”と“推し活”を結びつけ、神社が“精神的な拠り所”として機能していることがうかがえます。
このように、ただライブに行くのではなく、「心を整えて向き合いたい」という人間的な欲求が、祈願という形で現れているのです。
■ メンバーの「本気」も、ファンの期待に火をつけた

櫻井&相葉の“アスリート並み”トレーニング
ファンの熱狂だけでなく、メンバー自身も「最後の舞台」への意識を強く持って準備に臨んでいます。
櫻井翔と相葉雅紀は、トップアスリートや舞台俳優が通う専門ジムで、体力づくりやコンディショニングを行っていると報じられました。
高額なパーソナルトレーニングやプロ仕様のマッサージサービスを受けながら、ライブに向けて万全な状態を作り上げているとのことです。
これまで以上に鍛えられた体や表現力で挑む舞台に、ファンは「集大成を感じる」「全力で届けてくれる覚悟が伝わる」と期待を高めています。
大野智の復帰、そしてファンの「5人に会いたい」想い
2020年の活動休止以降、表舞台に立つことのなかったリーダー・大野智。2025年5月に配信されたファンクラブ向け動画で1587日ぶりに姿を現し、ファンの間に大きな驚きと喜びが広がりました。
とはいえ、大野は精神的なリハビリの必要性を公言しており、ライブに向けた準備には慎重な姿勢も見られました。それでも、1か月で3kgの減量を実行し、かつての姿に戻る姿勢は「プロとしての責任感」として評価されています。
「完璧でなくていい。ただ戻ってきてくれたことが何より嬉しい」
ファンのこの言葉が示すように、ラストライブは“5人全員であること”そのものに大きな意味があるのです。
よくある質問(FAQ)
Q. チケットは誰でも申し込めたの?
A. 今回は、2020年末の活動休止後もファンクラブを継続していた会員に限定されていました。一般販売や新規会員向け販売の予定は、現時点では未定です。
Q. 宿泊問題は他の地域でも起こる?
A. 札幌のように受験日と重なる地域で影響が大きく出ています。他の開催地でも、観光シーズンや他イベントとのバッティングにより宿泊確保が難しくなる可能性があります。
Q. 今後チケットの二次募集はある?
A. ファンの間では期待の声が多く聞かれますが、公式からは今のところ二次募集や追加販売に関する発表はありません。
まとめ:これはただの“ライブ”ではなく、ファンと嵐が歩む「最終章」
『We are ARASHI』は、エンタメの枠に収まらない“時代の節目”として、あらゆる領域に影響を及ぼしています。
受験という人生の節目と重なる日程、神社への祈願という精神的な動き、そしてメンバー自身の本気の準備。これらが交錯するこの現象は、嵐というグループが日本の社会・文化に深く根付いていることの証明でもあります。
いま私たちは、単に“最後のライブ”を見届けようとしているのではなく、ひとつの時代の終わりと新しい記憶の始まりに立ち会っているのかもしれません。




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