「天下一品が次々と閉店しているらしい…」「あの味、もう食べられなくなるの?」そんな不安と驚きの声がネット上に広がっています。実際、天下一品が“大量閉店”を発表し、多くのファンに衝撃が走っています。
しかし、この閉店劇の裏には単純な売上不振だけでは語れない、フランチャイズの構造的な問題や、“愛弟子の反乱”とも言われる複雑な人間関係が絡んでいるのです。
この記事では、天下一品大量閉店の真相を、ラーメンファンはもちろん、経営やビジネスに興味がある方にも分かりやすく、深掘りしてお届けします。
天下一品の大量閉店、その実態とは?
 
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2024年6月末、天下一品が発表した都内店舗の大量閉店。その裏側を、事実ベースで丁寧に紐解いていきます。
都内の約半数が閉店、その規模に驚き
現在、天下一品は全国に200店舗以上を展開していますが、その中心の一つである東京都内で異変が起きています。以下の表をご覧ください。
年度 | 閉店数 | 残存店舗数 | 主な閉店エリア |
---|---|---|---|
2023年6月 | 6店舗 | 17店舗 | 渋谷、新宿、池袋など |
2024年6月末 | 7店舗 | 10店舗 | 吉祥寺、新宿西口、池袋西口など |
「都内ならいつでも天下一品が食べられる」という常識が、静かに崩れ始めています。
フランチャイズ制が抱える“徒弟制”の限界
天下一品のビジネスモデルは、いわゆる「徒弟制フランチャイズ」に近い形で成り立っています。
これは、創業者・木村勉氏の下で修行した弟子たちが、自らの店舗を持ち、天下一品ブランドを広めていくという仕組みです。
一見、家族的なこの制度ですが、以下のような限界も浮き彫りになっています。
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時代に合わない経営体制で、オーナーの不満が蓄積
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人件費や原材料高騰に柔軟に対応できない
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本部とフランチャイズ側の意見対立が深刻化
特に、近年は物価高や人手不足が加速しており、昔ながらの“義理と人情”だけでは店舗運営が厳しくなっている現実があります。
“愛弟子の反乱”が引き金に
今回の大量閉店には、“愛弟子”と呼ばれるフランチャイズオーナーたちの「独立・離反」が大きく関わっています。
中心的な存在が、以下の2社です。
会社名 | 概要 | 関連性 |
---|---|---|
エムピーキッチン | 主に都内のFC店舗を展開 | 閉店対象店舗を多数運営 |
ティーフーズ | 同グループのFC運営会社 | エムピーキッチンと密接関係 |
これが、「天下一品 大量閉店 理由」の核心部分とも言えるのです。
天下一品の歴史とこれから
次に、天下一品というブランドがどのように成長し、今回の大量閉店がその歴史の中でどんな意味を持つのかを見ていきましょう。
京都発・天下一品のこってり伝説
天下一品は1981年、京都・北白川の屋台からスタートしました。
「飲むスープではなく、食べるスープ」とまで言われる濃厚なこってりラーメンは、ラーメン激戦区の京都でも異彩を放ち、瞬く間に全国区の人気ブランドへと成長。
現在でも、こってり派とあっさり派に分かれるラーメンファンの間で、天下一品の“こってり”は圧倒的な存在感を放っています。
代表的な特徴:
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超濃厚な鶏ガラベースのスープ
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麺やご飯、唐揚げとの相性抜群
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熱狂的リピーターが多い
この“唯一無二”の存在が、天下一品の強みであり、今回の閉店が大きな話題になる理由でもあります。
激戦区・都心店舗の閉鎖が意味するもの
今回閉鎖される店舗の中には、都心部の一等地が多く含まれています。
具体的には…
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渋谷センター街店
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池袋西口店
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吉祥寺店
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新宿西口店
これらは単なる店舗以上の意味を持っています。
天下一品のブランド力を象徴する場所であり、“激戦区でも天下一品は勝てる”という自信の象徴でもありました。
その店舗が次々と姿を消すということは、単なる経営判断ではなく、天下一品というブランドのあり方そのものが問われているのです。
今後どうなる?天下一品の未来
大量閉店の波を受け、天下一品は今まさに岐路に立たされています。
今後の展開として予想されるのは、以下の通りです。
施策案 | 内容 |
---|---|
直営店舗の強化 | 本部主導の店舗運営比率を増やす |
フランチャイズ制度見直し | 柔軟性を持たせ、オーナーの負担軽減 |
新業態・コラボ展開 | ラーメン以外の商品・提携戦略の強化 |
まとめ:天下一品大量閉店の本質は“経営モデルの転換期”
天下一品の大量閉店は、単なる店舗整理ではなく、長年続いてきたフランチャイズと徒弟制というビジネスモデルの限界が表面化した出来事です。
同時に、愛弟子たちの離反という人間ドラマも絡み、ブランドの未来が改めて問われています。
とはいえ、“こってり”という唯一無二のラーメン文化は健在です。天下一品が今後、どう変わり、どのように再出発するのか。その行方を、ラーメンファンとしても、経営の視点でも、引き続き注目していきましょう。
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